ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、PlayStation ブランド初となる完全ワイヤレスイヤホン「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン(CFI-ZWE1J)」を発売しました。
PULSE Explore には「プレーナーマグネティックドライバー」が内蔵されていたり、ロスレス新規格「PlayStation Link」に対応していたり、「ノイズリジェクション」が搭載されていたりと、ゲームを快適に遊ぶための最新技術が詰め込まれています。
これだけ聞くと何となく高性能なワイヤレスイヤホンということは理解できると思いますが、オーディオ機器に詳しくないと、「結局、何がすごくて、どんなことが出来るのか」といった根本的なことが理解できないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、PULSE Explore ワイヤレスイヤホンの特徴を分かりやすく解説するとともに、どんな使い方ができるのかについても深掘りしていきます。PULSE Explore に興味がある人に役に立つ内容となっていますので、ぜひご一読いただければと思います。
この記事で紹介するアイテム
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PULSE Explore ワイヤレスイヤホンの特徴
商品名 | PULSE Explore ワイヤレスイヤホン(CFI-ZWE1J) |
サイズ | イヤーバッズ:約 35 × 23 × 19 mm(片方のみ / イヤーチップなし) 充電ケース:約 88 × 42 × 38 mm(閉蓋時) |
重量 | イヤーバッズ:約 6.1 g × 2(イヤーチップ M 取り付け時) 充電ケース:約 71 g |
再生時間 | 5時間(内蔵バッテリー) 充電ケース使用時最大 10 時間 |
充電時間 | 本体:約40分 充電ケース:1.5時間 |
充電端子 | USB Type-C |
通信システム | Playstation Link Bluetooth |
発売日 | 2023年12月6日 |
価格 | 34,980円(税込) ※発売当初の価格は 29,980 円 |
PULSE Explore は、PlayStation ブランド初となる完全ワイヤレスイヤホン。これまでも PlayStation 向けのオーディオ機器は発売されていますが、それらはすべてヘッドセット。ワイヤレスイヤホンは「PULSE Explore」が初となります。
PULSE Explore の特徴は次の通り。
それぞれ、「何がすごくて、どんなことが出来るのか」といったことをかみ砕いて説明していきます。
プレーナーマグネティックドライバーを内蔵
イヤホンやヘッドホンには「ドライバーユニット」と呼ばれるパーツが搭載されています。ドライバーとは、空気を振動させて音を出す板のことを言います。デバイスから送られてきた音声信号を振動に変換し、磁石の力で振動板を動かすことで音を鳴らしています。
ドライバーにもいろいろ種類がありますが、市場に幅広く普及しているのが「ダイナミックドライバー」。振動板はドーム型や球体のような立体的な形状をしており、部分的に振動板に力を加えて振動させているため、音の歪みが発生しやすいといった欠点を持ちます。
一方、PULSE Explore に搭載されている「プレーナーマグネティックドライバー」の振動板は、フラットな形状になっています。振動板全体を磁石で挟み込み、全体をほぼ均一に動かしているので、歪みが少なくクリアな音が鳴らせます。また、振動板自体をかなり薄くできるので、細かい音の再現性が高く、残響音といった微細な音も聞き取れるようになります。こういった振動板(音質)の特徴を、公式サイト では「歪みを最大限抑えた精度の高いサウンドスケープを再現」と表現しているわけです。
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ロスレス新規格「PS Link」対応
PULSE Explore には、ロスレス新規格「PlayStation Link」が採用されています。
「ロスレス」とは、音声データの圧縮方式のこと。音声データはそのままだとデータ量が大きいため、圧縮してデータ量を小さくしてから伝送します。この圧縮による音質の劣化がない状態を「ロスレス」と言います。
PlayStation Link は低遅延接続も可能にしています。一般的な Bluetooth 接続だとわずかな遅延が発生するため、格闘ゲームやリズムゲームなどのタイミング判定がシビアなゲームだと、「音」と「映像」にズレが生じてプレイしづらい環境になります。PlayStation Link は、この遅延を最小限に抑えているという意味で「素早くサウンドを届けます」と 公式サイト で表現しています。
なお、PlayStation Link は、対応デバイス間でのみ利用ができます。「PlayStation Portal リモートプレーヤー」には PlayStation Link が内蔵されているので、PULSE Explore と直接の低遅延ロスレス接続ができます。
PS5 本体や PC、Mac には PlayStation Link が内蔵されていないので、接続を可能にする専用の USB アダプターを使用します。USB アダプターは PULSE Explore に同梱されており、これをデバイスに差せば、PlayStation Link の低遅延ロスレス接続ができるようになります。
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デュアルデバイス接続にも対応
PULSE Explore は、デュアルデバイス接続ができます。デュアルデバイス接続とは、「ゲーミングデバイス」と「スマホ」といったように、2 台の端末に同時に接続させること。これができるのは、PULSE Explore が「Bluetooth」と「PlayStation Link」の異なる無線通信技術を搭載しているからです。
一般的なワイヤレスイヤホンだと、Bluetooth しか搭載されていないので、1 つのデバイスにしかペアリングができないという制限があります。そのため、ワイヤレスイヤホンを「ゲーミングデバイス」と「スマホ」の両方の端末に同時に接続することはできません。
PULSE Explore は、「Bluetooth」に加えて、独自のロスレスワイヤレス接続技術「PlayStation Link」が搭載されています。この 2 つの異なる無線通信技術をそれぞれ単独で接続できるため、同時に 2 台のデバイスとの接続が可能となっています。これにより、ゲーミングデバイスは「PlayStation Link」で接続し、スマートフォンは「Bluetooth」で接続するといったことができます。
マイクにノイズリジェクションを搭載
PULSE Explore は、マイクの機能にもこだわっています。イヤホンにはゲーム内のボイスチャットやスマホでの通話に便利なマイクが搭載されており、「ノイズリジェクション(ノイズリダクション)」と呼ばれる機能が実装されています。
ノイズリジェクションとは、マイクが拾う周囲の雑音をカットする機能のこと。PULSE Explore には「口元の音声を拾うマイク」と「周囲の雑音を拾うマイク」の 2 つのマイクが搭載され、AI によって周囲の雑音だけを制御し、口元から発した音声のみをクリアに相手に伝えます。
PULSE Explore は、遠くの雑音だけでなく、近くの雑音も聞き分け、ノイズリジェクションによってカットできるようです。
PULSE Explore ワイヤレスイヤホンを装着した相手が電話のマイク近くで大きな音を立てて紙をくしゃくしゃにしていましたが、AIによるノイズリジェクションが迅速にその音を静かにしてくれました。
ボイスチャットやスマホでの通話中、周囲がうるさくても、相手に迷惑をかけることがないのです。
PULSE Explore ワイヤレスイヤホンでできること
PULSE Explore でできることは次の通り。
それぞれ、具体的にどんな使い方ができるのかを深掘りしていきます。
PS5 や PS Portal との接続
PULSE Explore は、PS5 や PS Portal といった PlayStation 製品との無線接続ができます。
PS5 には Bluetooth が搭載されていないため、一般的なワイヤレスイヤホンは接続できません。PULSE Explore も同様ですが、無線接続には Bluetooth ではなく、独自のワイヤレス接続技術「PlayStation Link」を使用します。PULSE Explore に同梱されている専用の USB アダプターを PS5 本体に挿すことで、「PlayStation Link」での無線接続が可能になります。
PlayStation Portal に関しては PlayStation Link が本体に内蔵されているため、付属の USB アダプターを使用することなく直接の無線接続が可能です。
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Nintendo Switch との接続
PULSE Explore は、Nintendo Switch とも無線接続ができます。接続方法は「Bluetooth」と「PlayStation Link」の 2 種類とも可能です。
PlayStation5 とは違い、Nintendo Switch は Bluetooth を使っての無線接続が可能です。そのため、PULSE Explore と Nintendo Switch を Bluetooth 接続ができます。
遅延を最小限に抑えるには、PlayStation Link を活用します。Switch 本体には当然 内蔵されていませんので、PULSE Explore に同梱されている専用の USB アダプターを使うことになります。
USB アダプターの端子は Type-A となっているので、PlayStation Link で接続したい場合は、Switch ドックに USB アダプターを挿すことになります。つまり、携帯モードの Switch では「PlayStation Link」による低遅延ロスレス接続の恩恵を受けられない、ということになります。
なお、Switch ドックに USB アダプターをそのまま挿しても上手く機能しないので、ひと手間 工夫する必要があります。
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スマホや PC デバイスとの接続
PULSE Explore は、スマホや PC、Mac との接続ができます。
スマホに関しては「PlayStation Link」ではなく「Bluetooth」での接続になります。
PlayStation Link を使うには PULSE Explore に同梱されている USB アダプターが必要になりますが、この端子は Type-A となっています。スマホの USB ポートは一般的に USB Type-C か、iPhone の場合「14」以前だと Lightning が主流となっているので、接続端子が Type-A となっている USB アダプターは使用できない、ということになります。
PC はほとんどの機種で Type-A の USB ポート と Bluetooth が搭載されているので、「PlayStation Link」でも「Bluetooth」でも接続ができます。
ゲーム音を聞きながらの通話
前述した通り、PULSE Explore はデュアルデバイス接続(2 台の端末に同時に接続)ができます。同時に「接続」できるだけでなく、同時に「聴く」こともできます。
電話に出ると、電話のオーディオとゲームのオーディオがシームレスにミックスされ、会話中もゲームを中断することなくプレイし続けることができました。
スマホは Bluetooth で接続し、PS5 や PlayStation Portal 、Nintendo Switch とは PlayStation Link で接続しておけば、スマホで通話したり、好きな音楽を流しながら、同時にゲーム音を聴くことができるのです。
まとめ
PULSE Explore の特徴は次の通り。
特徴 | 解説 |
プレーナーマグネティックドライバーを内蔵 | 歪みが少なくクリアな音を表現 |
ロスレス新規格「PS Link」対応 | 圧縮による音質の劣化が少なく、遅延がない |
デュアルデバイス接続にも対応 | 2 台の端末に同時に接続、同時に聴ける |
ノイズリジェクションマイクを搭載 | 口元から発した音声だけを相手に伝える |
PULSE Explore でできることは次の通り。
できること | 解説 |
PS5 や PS Portal との接続 | 家族や周囲にゲーム音を聞かれることなく没頭できる |
Nintendo Switch との接続 | PS Link での低遅延接続が実現 |
スマホや PC デバイスとの接続 | リモプや PC ゲームを高音質・低遅延で楽しめる |
ゲーム音を聞きながらの通話 | ゲームを中断することなく電話に出れる |
上記のように、PULSE Explore はゲームを快適に遊ぶための最新技術が詰め込まれたワイヤレスイヤホンと言えます。「PS5 や PS Portal でワイヤレスイヤホンを使いたい」と考える人はぜひ購入してみてください。
この記事で紹介したアイテム
PS linkでNintendo switchと接続がうまくできません。。。
接続方法の記事を待望しております。
コメントありがとうございます!
普通に Play Station Link USBアダプターをドックに挿しても、認識されないですよね。自分も苦戦しました。
接続方法は、コチラの記事 で解説しています。ご参考になれば幸いです^^