PULSE Explore の価格は 34,980 円(※)。高級ワイヤレスイヤホンの部類に入るので、購入を躊躇する方も少なくないはず。
※PULSE Explore は、発売当初は 29,980 円でしたが、2024年9月2日以降は 34,980 円です。
この記事では、実際に PULSE Explore をゲームプレイや音楽鑑賞で使ってみての率直な感想をご紹介しています。良いところばかりでなく、悪い面も正直にお伝えしているので、購入しようか迷っている方はぜひご一読ください。
この記事で紹介するアイテム
PULSE Elite の音質は良い?装着感は悪い?実機を正直レビュー
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PULSE Explore の使い勝手
まずは、PULSE Explore の使い勝手をレビューします。
携帯性
充電ケースは、一般的なワイヤレスイヤホンに比べて一回り以上 大きいサイズ感。ムダに大きいので、もう少しコンパクトにした方が収納時の邪魔にならないし、持ち運びにも便利だと思います(大きくて白いケースなのでカバンの中で見つけやすいですが)。
ケースの開閉
付属の充電ケースは、本体部分をつまむように抑えながら、もう片方の手でホワイトのカバー部分を左方向にスライドさせて開ける仕組み。
動きとしては非常にかっこよく、心をくすぐるものがあります。でも、その感動は はじめだけ。サッと開けられないので毎回この手順で開けるとなると煩わしいです。普通のイヤホンケースの開け方で良かったと思いました。
イヤホンの取り出し
イヤホン本体は、充電ケースにセットされています。磁気でくっついているので不意に落ちることがないので安心です。磁力は強すぎることがなく、片手でもスムーズに取り出しができます。
ステータスランプ
充電ケースにはステータスランプが搭載されています。
ステータスランプは、ケースを開けたりイヤホンをケースに戻すなど、何かのアクションを行った際に光ります。光の点滅パターンや光色によって、そのときのバッテリー残量やペアリング状態を示すわけですが、これが何を示しているのかが分かりにくいため、きちんと理解するのに苦労しました。
PULSE Explore 充電ケースのステータスランプの色と意味
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バッテリー持ち
イヤホン本体のバッテリー持ちは、公称だと最長 5 時間。大音量にしてゲームプレイや音楽鑑賞をすると 4 時間ほどです。
この程度のバッテリー持ちだと、屋外で長距離 移動をするときや、長時間 ゲームに没頭する場合、途中でバッテリー切れにならないかと心配になります。合間に休憩を挟み、こまめに充電する必要が出てきます。
また、繰り返し使うことでバッテリーは劣化していき、徐々にバッテリー持ちも悪くなるので、経年劣化が不安です。
PULSE Explore の充電方法と充電できないときの対処法
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音量調整
音量調整は、イヤホン本体の物理ボタンで操作できます。タッチボタンだと誤動作しやすいので、物理ボタンになっているのは便利だと思いました。
ただし、この物理ボタンは PS Link 接続時のみ有効です。Bluetooth 接続では音量調整できない(デバイス側で調整する必要がある)のは残念です。
PULSE Explore の装着感
次に、PULSE Explore の装着感(耳への着け心地)をレビューします。
装着方法
イヤホンの装着方法はやや特殊。本体を 90 度前方に傾けてから耳に入れ、上方向に 90 度回転させます。普通のイヤホンのように耳にストレートに挿すのではなく、回し入れるように装着するのです。
かなり特殊で稀な装着方法である割に、同梱されている説明書に装着手順が記されていないのは不親切だと感じます(そもそも、きちんとした説明書すら同梱されていない)。一度 正しい装着の仕方が分かれば大した問題ではありませんが、はじめてだとうまくフィットしなくて戸惑うことでしょう。
PULSE Explore を耳に正しく装着し、最適なイヤーピースを選択する手順
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フィット感
イヤホン本体は、重量感のある見た目に反して軽量です。耳の形状に合うように独特なカーブが描かれているので、装着時にピッタリとフィットするように計算されています。通常利用で不意に外れることはまずありません。密閉性や安定性が高く、耳への負担は少なく感じます。
PULSE Explore のサウンド性能
続いて、PULSE Explore の音質やサウンドまわりの特徴をレビューします。
音質
音質に関しては、同じドライバー(振動板)が搭載されている PULSE Elite ワイヤレスヘッドセットと聞き比べて感じた特徴をご紹介します。
PULSE Elite と比べると、全体的なバランスは良いように思えます。
PULSE Elite は低音域が控えめ、中音域から高音域が強調される感じなので、パワフルで煌びやかな一方で、刺さるような鋭さがあります。PULSE Explore は低音域から高音域まで均一にしっかり鳴っています。良く言えばクセのない聞きやすい音質ですが、悪く言えば平坦でのっぺりした印象があります。
解像度や分離感に関しては、PULSE Explore の方が低いと感じます。
PULSE Elite は、音の粒 1 つひとつがしっかり聞き取れるので繊細でクリア。反面、1 音 1 音の要素(情報量)が多いためか、人によっては聞いているうちに疲れてしまうことがあるでしょう。PULSE Explore は、メリハリがなく、全体的に曇った(濁った)ように聞こえます。それゆえに、PULSE Elite のように「聴いていて疲れる」ことはありません。
※あくまでも PULSE Elite と比較したときの音質の特徴です。音質そのものは決して悪くはありません。
音の定位感は、PULSE Explore も PULSE Elite もしっかり感じ取れます。APEX などの FPS ゲームで、銃声や足音がどの方向から聞こえたかがよくわかります。
PULSE Explore / PULSE Elite の EQ 調整方法とおすすめ設定
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遮音性
イヤホン本体が独特な形状をしているため密閉感があり、ある程度の遮音性は確保できています。ただし、ノイズキャンセリングが搭載されていないので、小さい音量で聞いていると普通に外のノイズが入ってきます。
音量を上げれば外のノイズも聞こえなくなりますが、うるさくなるだけなので、小さめの音量でも外の音が聞こえないよう、ノイキャンは搭載して欲しかったです。
おそらく、屋内の使用を想定しているためノイキャン非搭載なのだと思いますが、家の中でも子供の声がうるさかったり、近所の騒音が気になることは十分にあるので、個人的にはノイキャンが搭載されていないことは大きなマイナス点です。
PULSE Explore の接続性
さいごに、PULSE Explore と他のデバイスとの接続についてレビューします。
音の遅延
あたり前ですが、Bluetooth 接続は普通に遅延があります。これは Bluetooth 接続の特徴であり、一般的なワイヤレスイヤホンも同様なので仕方ありません。
PS Link 接続時は、遅延をほぼ感じさせません。実際にはわずかに誤差があるのだと思われますが、人間の脳では気が付かないレベルの遅延なので違和感はありません。一瞬の遅延が影響するようなシビアなゲーム(音ゲーとか格ゲーとか)も問題なくプレイできます。
接続の途切れ
購入したばかりのころは、2 ~ 3 時間に 1 回ほどの割合で、接続が途切れることが起きました。切断される時間は 1 ~ 2 秒と一瞬なので、ゲームプレイや音楽鑑賞に大きな影響はありませんが、気持ちの良いものではありません。
おそらく発売後のアップデートでこの問題が修正されたのか、今ではほぼ接続が途切れることはありません。ですので、購入後に接続 切れが頻発するようなら、アップデートを試してみると良いでしょう。
PULSE Explore / PULSE Elite をアップデートする手順
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同時接続
Bluetooth と PS Link を同時に使えるため、異なる 2 台のデバイスに同時に接続ができるのは便利。たとえば、スマホと Bluetooth で接続し、好きなアーティストの音楽を聴きながら、PS5 とは PS Link で接続し、ゲームの効果音や環境音を聞くことができます。
素材あつめなど、特にゲームの音を注意して聞くような遊び方をしない場合、この同時接続ができるのは便利に感じます。
PULSE Explore の使い方|デバイスごとの接続方法(ペアリング)を徹底解説
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総評
この記事では、PULSE Explore を PS5 のゲームプレイやスマホの音楽鑑賞などで使ってみての正直な感想をご紹介しました。
悪かったところは以下の通り。
- ケースの開閉が煩わしい
- 平坦でのっぺりした音質
- ケースが大きすぎて携帯しにくい
- バッテリー持ち 5 時間はやや不安
- 装着方法が特殊なのに説明がない
- ノイキャン非搭載なのはガッカリ
- 音量調整が PS Link のみ対応なのは不便
- ステータスランプの点滅が何を意味しているのかが分かりにくい
良かったところは以下の通り。
- 耳へのフィット感は良い
- クセのない聞きやすい音質
- 2 台同時接続ができるのは便利
- 接続切れがほぼなくストレスフリー
- PS Link 接続の遅延がほぼ感じられない
- ケースからイヤホンの取り出しはスムーズ
やや「使いにくい」「分かりにくい」と感じる部分もありましたが、たいていのことは使っているうちに慣れました。
肝心の音質に関しては、「3 万円なら同価格帯でもっと良い製品があるのでは」というのが正直な感想です。ただ、PULSE Explore の価値は音質ではなく、PS5 や PS Portal に最適化されていることにあります。接続がスムーズだったり、ゲームプレイ中にBluetoothで通話ができたりと、ゲーマーの利用シーンに即した使い方ができるのが魅力です。
総合的に判断すると、3 万円の価値は十分にあると思います。快適なゲーム環境を手に入れたい方は、検討してみてはいかがでしょうか。
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