2024年8月28日 更新:2024年9月2日に実施される、PULSE Elite の値上げ後の価格を反映しました
「PULSE 3D」は、PS5 本体と同日の2020年11月12日に発売されたワイヤレスヘッドセット。その後続モデルとなる「PULSE Elite」が、2024年2月21日に発売されました。
では、「PULSE Elite」は「PULSE 3D」からどのような進化を遂げているのでしょうか。
この疑問を解決するために、本記事では、「PULSE 3D」と「PULSE Elite」の違いを詳しく解説します。最終的にどっちを選ぶべきなのかも解説するので、PS5 のワイヤレスヘッドセットを探している人はぜひ参考にしてください。
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「PULSE Explore」と「PULSE Elite」の違い徹底比較|どっちがおすすめ?
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PULSE 3D と PULSE Elite のスペック比較
PULSE 3D と PULSE Elite のスペックを表にまとめました。
PULSE 3D | PULSE Elite | |
---|---|---|
発売 | 2020年11月12日 | 2024年2月21日 |
価格 | 12,980 円(税込) | 22,980円(税込) ※2024.9.2 に 18,980 円から値上げ |
サイズ | 約 213 mm× 190 mm× 91 mm (幅/高さ/奥行き) | 約217 × 154 × 109 mm (幅/高さ/奥行き) |
重さ | 約 292 g | 約 347 g |
駆動方式 | 非公表 | プレーナーマグネティックドライバー |
ドライバー口径 | 非公表 | 非公表 |
接続方法 | 2.4GHz RF(無線接続) 3.5mm端子 | Bluetooth PlayStation Link 3.5mm端子 |
最大通信距離 | 約10 m | 非公表 |
マイク | 内蔵×2 独自のノイズキャンセリングテクノロジー | AIによるノイズリジェクション |
稼働時間 | 最大 12 時間 | 最大 30 時間 |
充電時間 | 約 3.5 時間 | 約 2.5 時間 |
付属品 | ヘッドセット本体 USB アダプター 音声ケーブル USBケーブル 印刷物 | ヘッドセット本体 PS Link USB アダプター 充電フック マウンティングプレート USB ケーブル 印刷物 |
PULSE Elite の重さは公称で 約 347 g。PULSE 3D は約 292 g なので、55 g 重くなっています。大きさも PULSE Elite の方が若干 大きくなっています。
PULSE Elite の重さとサイズを実機で徹底計測
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PULSE 3D と PULSE Elite の違い
PULSE 3D と PULSE Elite はどちらも PS5 で使えるワイヤレスヘッドセットですが、機能面などで違いがあります。購入の際、抑えておきたい違いは次の 7 項目です。
これらの違いは購入の際の重要な判断材料になるので、しっかりチェックしておきましょう。
1. 価格
PULSE 3D の定価は 12,980 円(税込)。対して、PULSE Elite の定価は 22,980 円(税込)です。PULSE Elite の方が 10,000 円も高くなっています。
※ PULSE 3D の発売当初の定価は 10,978 円でしたが、2023年10月18日より 12,980 円に値上げされています。PULSE Elite も、発売当初は 18,980 円でしたが、2024年9月2日より 22,980 円に値上げしています。
PULSE 3D は「手ごろな値段で買える PS5 純正のワイヤレスヘッドセット」と好印象でしたが、PULSE Elite は一般的なゲーミングヘッドセットの価格帯に落ち着いた感じがあります。
2. 無線通信規格
PULSE 3D は、2.4GHz という帯域の電波を使った独自の無線通信でデバイス間を接続します。
接続には付属の USB アダプターを使います。Bluetooth も 2.4GHz ですが、それとは異なる無線通信技術です。なお、PULSE 3D には Bluetooth は搭載されていません。付属の USB アダプター(Type-A 端子)を挿せないデバイスには接続ができません。
PULSE Elite は、「Bluetooth」と「PlayStation Link」の 2 つの異なる無線通信を搭載しています。
PS Link に関しては USB アダプターを用いてデバイス間を接続するので PULSE 3D と似ていますが、実際に聴き比べてみると、それよりも音声データの圧縮による劣化が少なく、より低遅延になっている感じがあります。
また、Bluetooth にも対応しているので、スマホをはじめとする幅広いデバイスにワイヤレスで接続ができるのが PULSE Elite の特徴です。
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3. 音質
ドライバー口径などのデータが公表されていないのでスペック面での比較は難しいですが、一般論で言えば、後続モデルで上位機種である PULSE Elite の方が音質が良いことは確かです。
PULSE Elite には、ゲーム向けにチューニングされた「プレーナーマグネティックドライバー」が搭載されており、歪みのないクリアな音質を実現しています。実際にゲームをしてみると、低音域はやや物足りない感じはあったものの、高音域から中音域まではしっかり鳴っており、細かい音の再現性が高く、残響音といった微細な音も聞き取りやすいといった印象を受けました。
PULSE 3D の音質も悪くはありませんが、Tempest 3D オーディオを最大限に発揮するためのチューニングがされているので、「音質を追求する」というよりも「立体的な音響を再現する」ことに重きを置いていた印象があります。
なお、PULSE 3D も PULSE Elite も、PS5 本体で イコライザーの調整 が可能です。
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4. マイクの位置
PULSE 3D も PULSE Elite もボイスチャットなどで使用するマイクが搭載されていますが、位置や形状が異なります。
PULSE 3D のマイクは、ハウジング側面にボタンと並列する形で配置された小さな穴で音を拾います。耳元にマイクがあるので、周囲の雑音のなかからプレイヤーの音声を拾うことが苦手です。
PULSE Elite のマイクは格納式で、使うときだけ口元に引き出して使えます。口元にマイクがくるので、騒がしい場所でもプレイヤーの音声を拾いやすい構造です。マイクを使わないときはハウジング部分に格納しておけるので、ヘッドホンとしてもスマートに活用できます。
5. ボタンの配列
PULSE 3D は、ハウジング側面に「CHAT / GAME ボタン」「MONITOR スイッチ」「VOLUME ボタン」「MUTE ボタン」などが密集しています。これだけいろんなボタンが 1 ヵ所に集中していると、手触りだけで押し分けるのは困難。ボタンの操作性は非常に悪いです。
PULSE Elite のハウジング側面にあるボタンは、「音量ボタン 」と「PS Link ボタン」だけ(PS Link ボタンは電源 ON / OFF の切り替えも兼用)。それぞれ離れた位置にあるので押し分けがしやすいです。「MUTE ボタン」に関しては、格納式マイク部分にあるので感覚的に分かりやすい場所に配置されています。
6. 稼働時間
PULSE 3D のバッテリー稼働時間は、約 12 時間です。これでも十分だと思いますが、PULSE Elite はさらに長い、最大 30 時間の連続再生が可能です。PULSE Elite は 2 倍以上もバッテリーが長持ちします。
なお、PULSE 3D も PULSE Elite も有線での接続ができるため、バッテリー残量を気にすることなくゲーム音を聴くこともできます。
7. 付属品
PULSE 3D の同梱物は以下の通り。
- ワイヤレスヘッドセット(本体)
- USB アダプター
- 音声ケーブル
- USBケーブル
- 印刷物(クイックスタートガイド / セーフティーガイド)
PULSE Elite の同梱物は以下の通り。
- ワイヤレスヘッドセット(本体)
- PlayStation Link USB アダプター
- 充電フック
- マウンティングプレート
- USB ケーブル
- 印刷物(セーフティガイド)
同梱されている付属品の大きな違いは、「音声ケーブル」と「充電フック」の 2 点。
PULSE 3D は「音声ケーブル」が付属されているので、自分で用意しなくてもすぐにデバイスとの有線接続ができます。PULSE Elite は同梱されていないので、有線接続するなら、市販の 4 極または 3 極の音声ケーブルを別途 購入しなければなりません。
「充電フック」は PULSE Elite 独自のもの。PULSE 3D はヘッドセットの USB 端子にケーブルを接続する充電方法だけですが、PULSE Elite は充電フックに引っかけて、収納と同時に充電することもできます。
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8. 充電方法
PULSE 3D の充電方法は USB 端子のみ。PS5 などの USB Type-A 機器とヘッドセットを USB ケーブルで接続して充電します。
PULSE Elite は、USB 端子での充電に加えて、充電フックを利用した充電方法もあります。充電フックは壁掛けフックのような見た目をしており、壁や机などに取り付けられる構造になっています。この充電フックに USB ケーブルを接続し、フック部分に PULSE Elite を引っかけることで、収納と同時に充電ができる仕組みです。
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買うならどっちがおすすめ?
ここでは、PULSE 3D と PULSE Elite が、それぞれどういった人に向いているワイヤレスヘッドセットなのかを紹介しているので、購入の際の判断材料にしてみてください。
PULSE 3D を買うべき人
PULSE 3D は、次のような人におすすめです。
- コストを抑えたい
- Bluetooth は必要ない
- 操作性や音質にこだわりがない
- ボイスチャットをほとんどしない
PULSE 3D は「Bluetooth が使えない」「ボタンが密集しているため操作がしにくい」「マイクの位置が悪いため音声を拾いにくい」など、機能面や操作性では PULSE Elite に劣る部分が多々あるものの、ヘッドセットの性能としては決して悪くはありません。
価格もリーズナブルですので、操作性や音質には特別なこだわりがなく、純粋に PS5 の音をワイヤレスヘッドセットで聞きたいだけの人にとっては、それなりに満足できるオーディオ機器と言えます。
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PULSE Elite を買うべき人
PULSE Elite は、次のような人におすすめです。
- スマホで使いたい
- PS Portal と無線接続したい
- 高音質でゲームを楽しみたい
- 快適にボイスチャットをしたい
- PULSE 3D から買い替えたい
PULSE Elite は「Bluetooth」を搭載しているので、スマホをはじめとした幅広いデバイスとの無線接続ができます。また、独自の無線通信技術「PS Link」も搭載しているので、リモートプレイ専用機「PlayStation Portal」との無線接続も可能です。
PULSE 3D はスマホや PS Portal との無線接続ができなかったので、PS5 以外のデバイスで使う予定のある人は PULSE Elite がおすすめです。
PULSE Elite は、歪みのないクリアな音を鳴らせる「プレーナーマグネティックドライバー」を搭載しているので、音質にこだわりたい人も満足できるでしょう。また、マイクの位置が口元にあり、「MUTE ボタン」も分かりやすい配置になっているので、ボイスチャットを快適に楽しみたい人にも PULSE Elite をおすすめします。
装着感に関しては、PULSE 3D からの大きな進歩が感じられませんが、イヤーパッドがふわふわで痛みが軽減されているので、PULSE 3D からの買い替えを検討している人にもおすすめです。
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まとめ
PULSE 3D と PULSE Elite の違いをまとめます。
※ 優れている方を 太字 で強調
違い | PULSE 3D | PULSE Elite |
---|---|---|
価格 | 12,980円(税込) | 22,980円(税込) |
無線通信規格 | 2.4GHz の独自の無線通信 | Bluetooth PlayStation Link |
音質 | 3Dオーディオ向けのチューニング | 歪みを抑えた精度の高いサウンドスケープ |
マイクの位置 | ハウジング側面 (耳元で拾いにくい) | ブームマイク (口元で拾いやすい) |
ボタンの配列 | 多様なボタンが密集 (操作性が悪い) | 最低限のボタンだけを配置 (操作性が良い) |
稼働時間 | 最大 12 時間 | 最大 30 時間 |
付属品 | ヘッドセット本体 USB アダプター 音声ケーブル USBケーブル 印刷物 | ヘッドセット本体 PS Link USB アダプター 充電フック マウンティングプレート USB ケーブル 印刷物 |
PULSE 3D と PULSE Elite は、どちらも PS5 で使えるワイヤレスヘッドセットです。2 機種ともマイクが搭載されているので、ボイスチャットも可能です。
ただし、価格面や性能面には大きな違いがあります。予算の都合もあると思いますが、使い勝手を重視して選ぶようにしましょう。
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