Switch2 の本体保存メモリーが足りなくなったときに必要になる「microSD Express カード」。
Switch2 の発売当初はライセンス品の 2 製品だけでしたが、その後さまざまなメーカーから発売され、選択肢が増えつつあります。ただ、価格も性能もいろいろあるので、どれを買うべきかと悩みますよね。
そこでこの記事では、個人的に気になった 4 つの製品を比較し、どの SD カードを買うべきなのかをご案内します。microSD EX 選びで迷っている方のご参考になれば幸いです。
比較する 4 製品のスペック表
まずは、今回 比較に使う SD カードのスペック表をご覧ください。
| メーカー | SanDisk | Samsung | Buffalo *1 | Nextorage *2 |
| 容量 | 256 GB | 256 GB | 128 GB | 512 GB |
| SD規格 | SD Express UHS-I | SD Express UHS-I | SD Express UHS-I | SD Express UHS-I |
| スピードクラス | 非公開 | Class10 U3 V30 |
Class10 U3 V30 |
Class10 U3 V30 |
| 読み込み速度 *3 | 880 MB/s | 800 MB/s | 890 MB/s | 880 MB/s |
| 書き込み速度 *3 | 650 MB/s | 非公開 | 550 MB/s | 非公開 |
| 耐温度 | 非公開 | 0 ~ 45 ℃ | -25 ~ 85 ℃ | - 25 ~ 85 ℃ |
| 耐久性 | 非公開 | 耐水 耐熱 耐X線 耐磁 耐落下 耐摩耗 |
耐水 耐温度 耐X線 耐衝撃 |
防水 防塵 耐衝撃 曲げ耐性 耐挿抜 耐温度 耐X線 耐紫外線 耐静電 耐磁性 |
| 保証期間 | 無期限 | 3年 | 1年 | 5年 |
| 税込価格 | 6,980 円 | 6,980 円 | 5,980 円 | 17,980 円 |
*1 128 GB のスペック
*2 512 GB / 1TB のスペック
*3 測定環境が異なるため、数値については参考程度にしてください
本来であれば、実際の読み込み速度を計測して比較するべきなのですが、私の環境では正確に計測するための機材がそろっていません。そのため、転送速度に関しては公表されている数値での比較までとさせていただきます。
実際のロード時間の違いについては後半で検証しているので、そちらを参考にしていただければ幸いです。
比較する 4 製品のスペック詳細
ここからは、4 製品それぞれのスペックを1つずつ紹介していきます。
1. SanDisk 製のスペック
まずは、SanDisk 製の SD カードから。SanDisk 製は任天堂の公式ライセンスを取得しています。
| メーカー | SanDisk |
| 容量 | 256 GB |
| SD規格 | SD Express UHS-I |
| スピードクラス | 非公開 |
| 読み込み速度 | 880 MB/s |
| 書き込み速度 | 650 MB/s |
| 耐温度 | 非公開 |
| 耐久性 | 非公開 |
| 保証期間 | 無期限 |
| 税込価格 | 6,980 円 |
容量は 256GB のみ。
マイニンテンドーストアには詳しいスペックが掲載されていませんが、公式サイトには読み込み速度や書き込み速度が掲載されていました。その数値を反映しています。
耐久性についての具体的な記載はありません。ただ、保証が無期限になっている点では安心して使えますね。
価格は 6,980 円。他のメーカーの同じ容量だと 1万円 近くするものもあるので、それと比べても低価格です。
パッケージは、 Switch2 のロゴと、大きく描かれたマリオが目印。SD カードはブリスターにパッキングされています。
パッケージの上面をハサミで切り取るとSD カードが取り出せるようになっています。
SD カードには、マリオの「M」の文字とブランドロゴ、microSD Expressの証である「EX」のマークなどが描かれています。
裏面にはシリアルナンバー、製造国が描かれています。
実際に Switch2 に挿してみます。
スペック上は 256GB となっていますが、実際に使用できる空き容量は 235GB でした。
2. Samsung 製のスペック
次は、Samsung 製の SD カードのスペックを紹介していきます。SanDisk と同じく、任天堂の公式ライセンスを取得しています。
| メーカー | Samsung |
| 容量 | 256 GB |
| SD規格 | SD Express UHS-I |
| スピードクラス | Class10 U3 V30 |
| 読み込み速度 | 800 MB/s |
| 書き込み速度 | 非公開 |
| 耐温度 | 0 ~ 45 ℃ |
| 耐久性 | ・耐水:深さ 1m、25℃ の塩水(濃度3%)で 72 時間 ・耐熱:0 ~ 45℃ の環境下での動作(非動作 -40 ~ 85℃) ・耐X線:最大 100 mGy(空港のX線検査装置に相当) ・耐磁:最大 15,000 ガウス(高磁場MRIに相当)で30秒間 ・耐落下:最大 1m の高さから 10 回の落下耐性 ・耐摩耗:10,000 回の挿抜試験をクリア |
| 保証期間 | 3年 |
| 税込価格 | 6,980 円 |
容量は 256GB のみ。
マイニンテンドーストアには詳しいスペックが掲載されていませんが、公式サイトには読み込み速度が掲載されていました。他の製品と比べるとスペック上は劣っています。
耐久性については、「耐水」をはじめとする 6 つを備えています。Switch2 は外に持ち運ぶこともあるので、さまざまな耐性テストをクリアしているのは安心ですね。
保証は3年間。SanDisk や Nextorage と比べると短いです。ただ、3年も使っていれば、より高速で大容量の SD カードが登場する可能性があります。そちらに買い替えることもあり得るので、3年も保証が付いていれば十分と言えます。
価格は SanDisk 製 と同じく 6,980 円。
パッケージも SanDisk と似ています。SD カードはブリスターにパッキングされています。
取り出し手順も同じ。パッケージの上面をハサミで切り取ることでSD カードを取り出せます。
SD カードも SanDisk 製と似ていますね。ブランドロゴや「EX」のマークなどが描かれています。
裏にはシリアルナンバー、製造国が描かれています。
実際に Switch2 に挿してみます。
スペック上は 256GB となっていますが、実際に使用できる空き容量は 238GB でした。SanDisk 製 が 235GB だったので、3GB も多いです。3GB もあれば、写真 5000 枚、動画なら 60 本も余計に保存できますよ。
3. Buffalo 製のスペック
続いて、Buffalo 製の SD カードのスペックを紹介していきます。こちらはライセンス品ではありませんが、メーカーにより Switch2 で正常に動作することが確認されています。
| メーカー | Buffalo |
| 容量 | 128 GB 256 GB |
| SD規格 | SD Express UHS-I |
| スピードクラス | Class10 U3 V30 |
| 読み込み速度 | 890 MB/s |
| 書き込み速度 | 128 GB:550 MB/s 256 GB:750 MB/s |
| 耐温度 | -25 ~ 85 ℃ |
| 耐久性 | ・耐水:IPX7 ・耐温度:-25℃~+85℃ ・耐X線:ISO7816-1準拠 ・耐衝撃:詳細不明 |
| 保証期間 | 1年 |
| 税込価格 | 128 GB:5,980 円 256 GB:9,980 円 |
容量は、 128 GB と 256 GB の 2 モデル。今回 比較に使うのは 128 GB です。
256GB モデルだと、書き込み速度が 750MB/s に上がります。ただ、Switch2 で使う上では「書き込み速度」よりも「読み込み速度」の方が重要になってきます。書き込み速度が遅いからと言って、ゲームプレイに支障はありません。
読み込み速度に関しては、4つの製品の中でもっとも速い、890 MB/s。耐久性については、「耐水」をはじめとする 4 つを備えています。Samsung 製や Nextorage 製に比べると見劣りする印象ですが、基本項目はクリアしているので、普段 使いなら特に問題ないかと思います。
保証は1年間。短いので心配になる人もいるかもしれません。ただ、「保証期間外の障害や中度の障害でも、固定料金でデータの復旧が可能」とのことです。完全にサポートを受け付けないわけではありません。名のある日本企業ということもあって、アフターサービスに関しては期待できます。
価格は、128 GB が 5,980 円。256 GB が 9,980 円。小売店だとこれより安くなることがあります。ちなみに私は、Amazon で 128 GB を 4,980 円で買いました。
こちらがBuffalo製SDカードのパッケージ。かなり簡素ですね。
SD カードはプラスチック製のケースに入っています。
本体には、ブランドロゴ、スピードクラス、microSD Express の文字などが描かれています。
裏面にはシリアルナンバーが描かれています。
実際に Switch2 に挿してみます。
スペック上は 128GB となっていますが、実際に使用できる空き容量は 119GB でした。
4. Nextorage 製のスペック
さいごに、Nextorage 製の SD カードのスペックを紹介していきます。
Nextorage は、ソニーのストレージ部門が独立して2019年に設立された日本の企業。聞いたことがない人もいるかもしれませんが、メモリーカードやSSDなどのストレージ製品を専門に開発しているので、信頼できる企業です。
| メーカー | Nextorage |
| 容量 | 128 GB 256 GB 512 GB 1TB |
| SD規格 | SD Express UHS-I |
| スピードクラス | Class10 U3 V30 |
| 読み込み速度 | 128 / 256 GB:810 MB/s 512 GB / 1TB:880 MB/s |
| 書き込み速度 | 非公開 |
| 耐温度 | - 25 ~ 85 ℃ |
| 耐久性 | ・防水:IPX7 ・防塵:IP5X ・耐衝撃:高さ1.5 mからの落下耐性テスト ・曲げ耐性:10 N(ニュートン)加圧テスト ・耐挿抜:10,000回超の挿抜テスト ・耐温度:-25 ℃ ~ 85 ℃(結露のないこと) ・耐X線:ISO7816-1準拠 ・耐紫外線(UV):ISO7816-1準拠 ・耐静電:ISO7816-1準拠 ・耐磁性:耐磁テスト |
| 保証期間 | 5年 |
| 税込価格 | 128 GB:7,480円 256 GB:9,980円 512 GB:17,980円 1TB:35,900円 |
容量は、 128 GB から 1TB まで 4 モデルの展開。今回 比較に使うのは 512GB です。128 GB と 256 GB の場合、読み込み速度が 810 MB/s まで下がる点に注意してください。
保護耐久テストについては、「防水」「防塵」をはじめとする 10 種類をクリア。さらに、5年間の保証も付いています。ライセンス品ではありませんが、これだけ充実していれば安心して使えるのではないでしょうか。
価格は、ライセンス品と同容量の 256 GB が 9,980円。最大の 1TB にもなると 35,900 円と高額です。小売店だとこれより安くなることがあるので、セールを狙って購入するのがおすすめです。ちなみに私は、Amazon で 512 GB を 15,000 円で買いました。
こちらがNextorage 製SDカードのパッケージ。
SD カードは厚紙の中にあります。プラスチック製のケースで保護されています。
本体には、ブランドロゴ、スピードクラス、「EX」のマークなどが描かれています。
裏面にはシリアルナンバーが描かれています。
実際に Switch2 に挿してみます。
スペック上は 512GB となっていますが、実際に使用できる空き容量は 476GB でした。
ロード時間の比較
ここからは、ゲームソフトのロード時間を比較していきます。
比較に使用するソフトは4つ。Switch2 専用ソフト やキーカード、Switch2 Edition、初代 Switch ソフトを比較に使います。それぞれ、ソフトの起動時間、セーブデータの読み込みやプレイ中のロード時間を計測して比べていきます。
マリオカートワールド(Switch2 ソフト)の計測結果
まずはマリオカートワールド。左上から、本体保存メモリー、SanDisk、Samsung、Buffalo、Nextorageです。起動したタイミングをあわせて比較しました。
結果は、SDカードの中でもっとも速いのはSanDisk、遅いのはSamsungでした。
マリオカートワールドのフリーランで、ファストトラベルが完了するまでを比較してみました。もっとも速いのはBuffalo、遅いのはSamsungという結果でした。
サバイバルキッズ(キーカード)の計測結果
次は、キーカード版のサバイバルキッズで比較していきます。
ソフトを起動してからコントローラー登録画面が表示されるまでを計測した結果、もっとも速いのはBuffalo、遅いのはSamsungという結果でした。
サバイバルキッズでゲームプレイを開始してから、読み込みが完了するまでを比較した結果は、僅差ですが Samsung がもっとも遅く、それ以外は同タイムという結果でした。
ポケモンZ-A(Switch2 Edition)の計測結果
続いて、Switch2 Edition 版のポケモンZAで比較していきます。
ソフトを起動してからタイトル画面が表示されるまでを計測した結果、もっとも速いのは Buffalo、遅いのは Samsung でした。
ポケモンZAで、ファストトラベルが完了するまでを比較した結果、Buffalo は本体ストレージと同等、もっとも遅いのは SanDisk と Samsung です。
ルイージマンション3(Switch ソフト)の計測結果
さいごに、Switch ソフトのルイージマンション3で比較していきます。
ソフトを起動してからタイトル画面が表示されるまでを計測した結果、もっとも速いのはBuffalo、遅いのはSamsungでした。
ルイージマンション3で、セーブデータを選択して読み込みが完了するまでを比較しました。Nextorageがもっともはやく、それ以外は同タイムという結果でした。
どの microSD Express を買うべき?
先ほど行ったロード時間の計測結果をグラフでまとめてみました。
Samsung 製は読み込みの遅さが目立ちます。ただ、ほとんどの場合で 1秒 未満のわずかな差。測定の誤差ということも考えられるので、差が縮まることもあります。
全体でみると、どのSDカードも本体ストレージに引けを取らないくらいに高速な読み込み速度であると言えます。ご紹介した4つの製品であれば、どれを買っても問題なさそうです。
それでも、「ロードは少しでも早い方が良い」と言うなら、Buffalo 製をおすすめします。読み込み速度は、4つの中でも もっとも速い890 MB/s。ロード時間の検証を見ても、確かに早いことが証明されています。速さ重視の人はBuffalo 製を買いましょう。
ライセンス品が良いのであれば、SanDisk をおすすめします。わずかですが、読み込み速度はSamsung 製よりも速いです。耐久性については不明ですが、保証が無期限という点では安心して使えます。
容量と耐久性を重視する人には、Nextorage 製をおすすめします。他のSDカードにはない、512 GB 、 1TB のモデルがあります。ライセンス品ではありませんが、10種類もの耐久テストをクリアしていますし、5年も保証が付いているので安心して使えます。大容量でタフなSDカードが欲しい人は、Nextorage 製を買いましょう。














































