Switch 2向けの任天堂ライセンス品microSD Expressに、SanDiskの512GBモデルが加わりました。
価格は28,980円。他社の512GBモデルが現在2万円前後で販売されていることを考えると、1万円ほど高い価格設定です。
では、ライセンス品にはこの価格差に見合う価値があるのでしょうか。
この記事では、SanDiskの512GBライセンス品を、Nextorage・Samsung・Lexarの512GBモデルと比較。公称スペックだけでなく、Switch 2で実際に使用できる容量、ゲームの起動時間やロード時間、ゲームデータの移動時間まで測定しました。
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512GBライセンス品の価格・スペック
これまで国内で販売されていたSwitch 2向けライセンス品microSD Expressは、SanDiskとSamsungの256GBモデルのみでした。
2026年10月1日からは、新たにSanDisk製の512GBモデルがラインナップに加わっています。
256GBモデルは2026年8月に値上げされ、現在の価格は8,980円。一方、今回発売された512GBモデルは28,980円です。
単純に価格だけを見ると、256GBモデルを3枚購入しても512GBモデルより安い計算になります。
512GBモデルの主な仕様は、最大読込速度880MB/s、最大書込速度650MB/s。保証は制限付き無期限保証です。
SanDiskの256GBライセンス品も最大速度と保証内容は同じなので、512GBモデルは容量こそ2倍になっていますが、公称性能に大きな違いはありません。
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他社512GBと価格・スペックを比較
では、他社の512GBと比べた場合はどうなのでしょうか。
今回比較するのは、以下の4製品です。
| 項目 | SanDisk | Nextorage | Samsung | Lexar |
|---|---|---|---|---|
| 参考価格 | 28,980円 | 24,260円 | 19,980円 | 16,980円 |
| 最大読込速度 | 880MB/s | 880MB/s | 800MB/s | 900MB/s |
| 最大書込速度 | 650MB/s | 非公表 | 非公表 | 600MB/s |
| 最低持続書込速度 | 220MB/s | 非公表 | 非公表 | 非公表 |
| Switch 2対応状況 | 任天堂ライセンス品 | 動作確認済み | 動作確認済み | 動作確認済み |
| 保証 | 制限付き無期限 | 5年 | 3年限定 | 制限付き無期限 |
| 国内サポート | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 動作温度 | -25~85℃ | -25~85℃ | 0~45℃ | -25~85℃ |
※参考価格は2026年10月1日時点。
まず価格を見ると、SanDiskは28,980円で4製品の中では最も高く、Lexarとは1万円以上の差があります。
ゲームのロード時間などに関係する最大読込速度は880MB/s。他の3製品と比べても、SanDiskだけが特別速いわけではありません。
最大書込速度は650MB/s。本体保存メモリーからmicroSD Expressへゲームデータを移動するときなどに関係する速度です。
最低持続書込速度は220MB/s。これは、大容量データを書き続けた際に、どの程度の書込速度を維持できるかを示す指標です。今回比較した4製品では、SanDiskのみ公表されています。
また、今回の4製品で任天堂ライセンスを取得しているのはSanDiskのみです。ほかの3製品はライセンス品ではありませんが、各メーカーがSwitch 2での動作を確認しています。
保証はSanDiskとLexarが制限付き無期限で、今回の4製品では最も長い保証内容です。
動作温度にも違いがあり、Samsungのみ0~45℃。ほかの3製品は-25~85℃となっています。
このように、SanDiskにはライセンスや保証面での強みがあります。ただし、公称スペックだけを見る限り、1万円前後の価格差に見合うほど大きな違いがあるとは言えません。
他社512GBと実機比較
ここからは、実際にSwitch 2で使う上での違いを見ていきます。
実際に使える容量を比較
microSDカードは「512GB」と表記されていても、Switch 2上で実際に使用できる容量は512GBより少なくなります。
そこで、各カードをSwitch 2に挿入し、使用できる空き容量を確認しました。
| 製品 | Switch 2で確認した空き容量 |
|---|---|
| SanDisk | 456GB |
| Nextorage | 476GB |
| Samsung | 477GB |
| Lexar | 465GB |
同じ512GBでも、使用できる容量には最大21GBの差がありました。
SanDiskは456GBで、今回の4製品では最も少ない結果です。最も多かったSamsungの477GBと比べると21GB少なく、マリオカート ワールド1本分くらいの差があります。
PCで読込・書込速度を比較
続いて、PCで実際の読込・書込速度を測定しました。
測定にはmicroSD Express対応カードリーダーを使用し、CrystalDiskMarkですべて同じ条件で計測しています。
| 製品 | 読込速度 | 書込速度 |
|---|---|---|
| SanDisk | 898.88MB/s | 781.68MB/s |
| Nextorage | 838.16MB/s | 736.54MB/s |
| Samsung | 839.92MB/s | 316.33MB/s |
| Lexar | 839.56MB/s | 733.33MB/s |
読込速度はSanDiskが約899MB/sで最も速く、ほかの3製品は約840MB/sでほぼ横並びでした。
SanDiskは他の3製品より7%ほど速い結果ですが、PC上の読込速度としては大きな差ではありません。
一方、書込速度は製品によって大きな違いが出ました。
SanDiskは約782MB/sで最も速く、NextorageとLexarも730MB/s台。一方、Samsungは約316MB/sと、ほかの3製品より大幅に低い結果となっています。
ゲームの起動時間を比較
PCで確認した速度差がSwitch 2でも表れるのか、ゲームの起動時間を比較しました。
各カードとも同じSwitch 2本体を使用し、同じ条件で5回測定。その中央値を比較しています。
マリオカート ワールド
マリオカート ワールドは、セーブデータによってタイトル画面の背景が変化します。その影響を避けるため、今回は初期状態で測定しました。
ソフトを起動してから、タイトル画面のマップが消え、背景の空だけになった時点までを計測しています。
| 製品 | 起動時間 |
|---|---|
| SanDisk | 19.58秒 |
| Nextorage | 20.72秒 |
| Samsung | 20.60秒 |
| Lexar | 20.47秒 |
SanDiskは19.58秒で、ほかの3製品より約1秒短い結果となりました。
FF7 REMAKE
FF7 REMAKEはセーブデータがある状態で測定し、「PRESS ANY BUTTON」が表示された時点までを計測しています。
| 製品 | 起動時間 |
|---|---|
| SanDisk | 14.46秒 |
| Nextorage | 14.56秒 |
| Samsung | 14.55秒 |
| Lexar | 14.55秒 |
FF7 REMAKEでは、4製品とも14.5秒前後となり、ほとんど差がありませんでした。
ゲームのロード時間を比較
ゲーム内のセーブデータを読み込むロード時間も比較しました。
こちらも各カードを同じ条件で5回測定し、中央値を比較しています。
バイオハザード レクイエム
バイオハザード レクイエムでは、読み込み負荷が大きそうな中央キャンプのセーブデータを使用しました。
ロード開始から、ゲーム画面に「セーブ」と表示されるまでの時間を測定しています。
| 製品 | ロード時間 |
|---|---|
| SanDisk | 23.85秒 |
| Nextorage | 25.15秒 |
| Samsung | 25.07秒 |
| Lexar | 25.18秒 |
SanDiskは23.85秒で、ほかの3製品より約1.3秒短い結果となりました。
FF7 REMAKE
FF7 REMAKEでは、7番街スラムのセーブデータをロードし、ゲーム画面が表示された時点までを測定しています。
| 製品 | ロード時間 |
|---|---|
| SanDisk | 13.32秒 |
| Nextorage | 14.27秒 |
| Samsung | 13.87秒 |
| Lexar | 13.84秒 |
こちらもSanDiskが13.32秒で最も短い結果となりました。
約90GBのゲームデータ移動時間を比較
最後に、本体保存メモリーから各microSD Expressへゲームデータを移動する時間を比較しました。
使用したソフトは約90GBのFF7 REMAKEです。
本体保存メモリーからmicroSD Expressへの移動が完了するまでを各3回測定し、その中央値を比較しています。
| 製品 | 移動時間 |
|---|---|
| SanDisk | 18分34秒 |
| Nextorage | 20分34秒 |
| Samsung | 22分12秒 |
| Lexar | 20分36秒 |
SanDiskは18分34秒で最も短く、NextorageとLexarより約2分、Samsungより3分38秒短い結果となりました。
実測結果まとめ
| 測定項目 | SanDisk | Nextorage | Samsung | Lexar |
|---|---|---|---|---|
| 起動 マリオカート ワールド |
19.58秒 | 20.72秒 | 20.60秒 | 20.47秒 |
| 起動 FF7 REMAKE |
14.46秒 | 14.56秒 | 14.55秒 | 14.55秒 |
| ロード バイオハザード レクイエム |
23.85秒 | 25.15秒 | 25.07秒 | 25.18秒 |
| ロード FF7 REMAKE |
13.32秒 | 14.27秒 | 13.87秒 | 13.84秒 |
| データ移動 FF7 REMAKE |
18分34秒 | 20分34秒 | 22分12秒 | 20分36秒 |
今回の実測では、ゲームの起動、ロード、データ移動のすべてでSanDiskが最も短い結果となっています。PCで測定した読込・書込速度と同じ傾向が確認できました。
結論:3万円のライセンス品を選ぶ価値はある?
今回の比較結果を踏まえると、現状では、あえて約3万円のSanDiskライセンス品を選ぶメリットは少ないと考えます。
もちろん、任天堂ライセンス品であることに加え、制限付き無期限保証が用意されている点は安心材料です。
性能面でも、今回測定したゲームの起動時間、ロード時間、データ移動時間では、すべてSanDiskが最も短い結果となりました。
ただし、ゲームの起動やロードが劇的に速くなるわけではありません。
例えば、マリオカート ワールドの起動時間は他社より約1秒短い程度で、FF7 REMAKEの起動時間は4製品でほとんど差がありませんでした。
さらに、実際に使用できる容量は456GBで、今回比較した4製品では最も少ない結果です。
他社の512GBモデルが2万円前後で購入できる現在、こうした違いを考えても、SanDiskの約3万円は価格差に見合うほどの価値があるとは感じませんでした。
3万円近く出すのであれば、さらに1万円ほど予算を増やして、容量が2倍の1TBモデルを選んだ方がいいと思います。
ただし、今後ほかの512GBモデルも値上がりし、SanDiskとの価格差が縮まれば評価は変わります。
そのときは、今回確認した速度差や保証内容、実際に使用できる容量なども含めて比較してくださいね。















