今回は、M.2 SSDをPS5に取り付ける手順をご紹介します。
この記事の通りに作業すれば、安全かつ正確に取り付けられます。取り付け手順だけでなく、取り付け後に行う設定、内蔵SSDとのロード時間の比較も紹介しています。ぜひご参考にしてください。
この記事で使用するM.2 SSD
M.2 SSD とは
「M.2 SSD」とは、高速でデータを読み書きできるストレージのこと。PS5にはM.2 SSDを増設するためのスロットが搭載されています。そこに取り付けることで、M.2 SSDの容量分だけPS5に保存できる容量が増えます。
M.2 SSDにもいろいろありますが、PS5で使用する場合は、PlayStationが指定する条件を満たす必要があります。上記の通り、求められる条件はかなり厳しいです。詳しくないと探すのに苦労するかもしれません。
おすすめは、PS5公式ライセンスを取得した Western DigitalのM.2 SSD。価格は少し高めですが、プレイステーションが品質を認めているので安心して使えます。もちろん、先ほど提示した条件をすべて満たしています。
容量は、1TB~8TBまであります。M.2 SSD選びで迷っている方は価格やレビューをチェックしてみてください。ちなみに、私が購入したときは、PS Plusプレミアム14日間無料体験が付いてきました。
M.2 SSD を取り付ける前の準備
M.2 SSD を取り付ける際に必要となるモノは、広めのテーブルとプラスドライバーです。
プラスドライバーは、拡張スロットのカバーを取り外したり、M.2 SSD をネジで固定する際に使用します。サイズは1番(No.1)です。サイズ違いのプラスドライバーを使用すると、ネジ頭の溝がつぶれてしまいます。必ず1番のプラスドライバーを使用してください。
作業時にPS5 に傷を付けたくない人は、布や作業用ゴムマットも用意しましょう。今回はバスタオルを下に敷きます。
必要なモノがそろったら、 PS5 の電源を入れて、最新のシステムソフトウェアにアップデートされていることを確認します。
設定を開き、[システム]>[システムソフトウェア]>[システムソフトウェアアップデートと設定]の順に操作します。新しいバージョンがある場合は、「アップデートが利用できます」と表示されます。画面の案内に沿ってアップデートをしましょう。
PS5を買ってから一度も起動していない方は、M.2 SSD を取り付ける前に初期設定を済ませ、システムソフトウェアもアップデートしておいてください。
システムソフトウェアが最新であることを確認したら、PS5本体の電源を切ります。PSボタンを押してコントロールセンターを開き、[電源]>[PS5の電源を切る]の順に操作します。
電源を切ったら、本体に触れて温度を確認。熱くなっていたら、冷めるまでしばらく放置します。
念のため、取り付け前に、身の回りの金属に触れて身体の静電気を取り除いてください。M.2 SSDは静電気に弱い部品が使用されているため、そのまま作業すると故障の原因となります。
基本的な準備は以上ですが、M.2 SSD を PS5 以外で使用していて、中にデータを保存している方は、事前にデータを移しておいてください。
PS5 に M.2 SSDを取り付けたあとにフォーマットする必要があるからです。M.2 SSD をはじめて使用する方、PS5以外で使用したことがない方には関係が無いので、今の話しは忘れてください。
M.2 SSD の正しい取り付け方
ここからは、PS5にM.2 SSD を取り付ける手順を解説していきます。
M.2 SSDの拡張スロットは、正面から見て右上のカバーを外すと現れます。旧型PS5も新型PS5も同じ場所にあります。
平らな場所にやわらかい布を敷いて、PS5を右上のカバーが上になるように置いてください。
カバーを外していきます。
PS5 Pro は、前面にある 2 つのツメ(青シールの位置)を外すとカバーが外れます。
ツメの位置に手を添え、片方ずつ持ち上げます。
かなり固く取り付けられていますが、徐々に力を加えていくと、「バキッ」という音とともにカバーが外れます。
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PS5 のカバーの外し方|PS5 Pro・新型・旧型に分けて解説
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新型 PS5 も同様です。ツメの位置は PS5 Pro と同じ(青シールの位置)です。
ツメの位置に手を添え、片方ずつ持ち上げるとカバーが外れます。
旧型PS5は、カバーの外し方が異なります。まず画面左上の位置に手を添え、軽く持ち上げます。
反対の手は、本体の底の中央に手を添え、軽く持ち上げながら横にスライドさせます。
両方の手で持ち上げつつ、横方向に徐々に力を加えるのがポイントです。
PS5 Proのカバーを外すと、ファンの隣に細長い金属のプレートが見えます。これは拡張スロットを覆うカバーです。
新型PS5も同じ位置に拡張スロットがあります。旧型PS5は、背面側ではなく前面側に拡張スロットがあります。
拡張スロットを開けていきます。ここからの手順は、全モデル共通です。
まず、カバーを留めているネジを、1番のプラスドライバーで取り外します。
カバーを外すと拡張スロットが見えました。
よく見ると、「110」「80」「60」「42」「30」という数字が書かれていますね。「110」と書かれたネジ穴には、ネジとスペーサーが設置されています。
数字は、M.2 SSDのサイズを表しています。取り付けるM.2 SSDのサイズにあわせて、ネジの場所を「110」から変えていきます。
今回 取り付けるWestern DigitalのM.2 SSDは「80」のネジ穴を使います。
「110」のところにあるネジとスペーサーを取り外します。ドライバーは、先ほどと同じく1番のプラスドライバーを使用します。ネジとスペーサーは非常に小さいので、取り外した際にファンに落とさないように注意してください。
取り外したら、先にスペーサーを「80」と書かれた位置のネジ穴に置きます。
スペーサーを倒さないように、M.2 SSD をコネクタに差し込みます。端子部分には触れないように気を付けてください。
このとき、切り欠きの位置を確認しながら、斜め上からしっかりと奥まで差し込みます。
差し込む際に「折れないか」と心配になりますが、多少 力を入れても壊れないので大丈夫です。
奥まで差し込めないときは、位置がずれている可能性があります。切り欠きの位置を確認し、もう一度 挿し直してみてください。
正しく差し込まれると「カチッ」と音が鳴り、反対側の端が少し浮いた状態になります。PS5 Proはあまり浮かないようになっているみたいですが、新型・旧型PS5だと浮きます。
浮いている部分を軽く指で押さえながら、ネジでM.2 SSD を固定します。ネジ止めは回しすぎないように注意しましょう。
これでM.2 SSDの取り付けは完了です。
拡張スロットカバーを取り付けて、ネジを締めます。
本体カバーを元に戻していきます。
PS5 Proのカバーの背面側には、固定用のツメが3つあります。
このツメを本体の窪みに合わせます。
そのまま蓋をするように閉じ、手前のツメを「カチッ」と音がするまではめ込みます。
新型PS5のカバーも同じ容量で取り付けられます。
旧型PS5の場合は、本体の取り付け用の穴の位置を確認して、カバーのツメをあわせます。この状態でカバーを左右に揺らして動かなければ、ツメが取り付け用の穴にはまっています。
片方の手で、本体が動かないように上面を抑えます。もう片方の手は、カバーの底面側に手の平をあて、そのまま横方向に力を加えます。「カチッ」と音がすれば、カバーの取り付けが完了。
以上で、取り付け作業は完了です。
M.2 SSD 取り付け時の注意点
ここまで、取り付け時の注意点をいくつかお伝えしました。正しく取り付けるために、もう一度おさらいしましょう。
取り付け前は、身の回りの金属に触れて身体の静電気を取り除いてください。M.2 SSDは静電気に弱い部品が使用されているため、そのまま作業すると故障の原因となります。
使用するドライバーは、1番のプラスドライバーです。サイズ違いのプラスドライバーを使用すると、ネジ頭の溝がつぶれてしまいます。
実際の取り付け作業では、M.2 SSDの端子部分に手を触れないように気を付けてください。差し込むときの角度は、水平ではなく、斜め上です。「カチッ」と音がするまで差し込みます。
拡張スロットのすぐ隣にはファンがあります。ネジやスペーサーを扱う際は、ファンに落とさないように十分に注意してください。
落としてしまった場合は、カスタマーサポートに問い合わせるか、ファンを外して取り除いてください。ファンの外し方は他の記事で紹介しているので、万が一の場合はぜひそちらをご参考にしてください。
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M.2 SSD 取り付け後にやること
M.2 SSD を取り付けたら、PS5の電源を入れます。
正しく取り付けが出来ていれば、M.2 SSDをフォーマットするように促されます。
フォーマットと聞くと不安になるかもしれませんが、PS5本体に保存されているセーブデータなどには影響がないので安心してください。
ちなみに、古い PS5 から新しい PS5 に付け替える際は、フォーマットの必要はありません。付け替えるだけで、保存しているゲームデータをすぐに使用できるようになります。
フォーマットが完了すると、M.2 SSD の読み込み速度の測定結果が表示されます。
Western DigitalのM.2 SSDの読み込み速度は、6430MB/sでした。PS5に使用できるM.2 SSDの要件は 5500MB/s 以上ですので、余裕で上回っていますね。
フォーマットが終われば M.2 SSD が使える状態になっています。ただし、ゲームデータのインストール先は変わっていません。本体ストレージのままです。
このままだと、ゲームデータは自動的に本体ストレージの方にインストールされてしまいます。M.2 SSD に保存されるように設定を変えていきましょう。
ホーム画面から「設定」を開きます。[ストレージ]>[インストール先]の順に操作。
インストール先を確認すると「PS5ゲームとアプリ」「PS4ゲームとアプリ」が本体ストレージに設定されています。
それぞれ、「M.2 SSD ストレージ」に変更します。これで、次回からゲームデータをインストールすると、本体ではなくM.2 SSDに保存されるようになります。
すでにPS5本体に保存されているゲームデータを、M.2 SSDに手動で移すこともできます。
[設定]>[ストレージ]>[本体ストレージ]>[ゲームとアプリ]の順に操作。
PS5本体に保存されているゲームデータが表示されました。「移動する項目を選択」を選択します。
M.2 SSDに移動させたいゲームソフトを選択します。選択すると、画面右側にストレージの空き容量が表示されます。容量を確認しながら移動させたいゲームソフトを選びましょう。
「移動」を実行すると、本体ストレージから M.2 SSD へとデータが転送されます。400GBのデータだと3分ほどで完了しました。
内蔵SSDと拡張SSDのロード時間の比較
移動後に気になるのが、ゲームの起動時間やロード時間。そこで、内蔵SSDと拡張SSDの速度を比較してみました。
今回計測したのは「ディアブロ4」「レゴ ホライゾン アドベンチャー」「デジボク地球防衛軍2」「リビッツ・ビッグ・アドベンチャー 」の4タイトル。
使用したM.2 SSDは、Western DigitalのPS5公式ライセンス品。
ゲームソフトを内蔵SSDにインストールしロード時間を計測した後、拡張 SSD にインストール先を変更し、同じようにロード時間を計っていきます。
「ディアブロ4」は、起動からメーカーのロゴが表示されるまでを計測。結果は、拡張 SSD の方がわずかに早かったです。
他の場所にワープするまでの時間も比較してみました。こちらも、拡張 SSD の方がわずかに早かったです。
「レゴ ホライゾン アドベンチャー」は、起動からタイトルメニューが表示されるまでを計測。まったく差はありません。
フィールドに出るまでのロード時間も計測。内蔵SSDの方が0.3秒ほど早かったです。
「デジボク地球防衛軍2」は、起動からメーカーのロゴが表示されるまでを計測。内蔵SSDの方が1秒ほど早かったです。
ステージのロードが完了するまでの時間も計測。ほとんど差はありません。
「リビッツ・ビッグ・アドベンチャー」は、起動からシェイプスロゴが表示されるまでを計測。拡張 SSD の方がわずかに早かったです。
ステージのロードが完了するまでの時間も計測。まったく差はありません。
Western DigitalのM.2 SSDは、内蔵SSDとほとんど変わらない読み込み速度という結果でした。これなら、SSD増設後も快適に遊べますね。今回使用したWestern DigitalのM.2 SSDが気になった人は、現在の価格や購入者のレビューをチェックしてみてください。
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