数あるスマホ用コントローラーの中でももっとも人気があるのが「Backbone One」。
私は PlayStation Portal を持っているので買わなかったのですが、Backbone One の商品提供をいただく機会に恵まれたので、せっかくなので手にしてみることに。実際に使ってみると、想像以上に利便性が高く、PS Portal にはない魅力を感じました。
この記事では、Backbone One にはどういった魅力があるのか?を詳しくご紹介しています。PS Portal とどっちを買おうか迷っている方は、ぜひご参考にしてください。
この記事で紹介するアイテム
「PlayStation Portal」とは?できること、できないことまとめ
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Backbone One とは
「Backbone One」は、スマートフォン用ゲームコントローラーです。
スマートフォンでゲームをする場合、スクリーン上の仮想コントローラーでタッチ操作をすることとなります。これだと指で画面の端が隠れてしまったり、物理ボタンではないため操作が難しかったりしますよね。これらの課題を解決するのが「Backbone One」。
本体は伸縮可能なホルダー部とコントローラー部からなり、スマートフォンを挟み込むように装着すれば、携帯ゲーム機と同じようなプレイ感覚で楽しめます。
開発したのは、アメリカに本社を構える「Backbone」というメーカー。「本体の伸縮ホルダーを左右に広げてスマホをはめ込む」というスタイルのコントローラーをはじめて世に出したメーカーです。似たようなコントローラーはいくつもありますが、「Backbone One」がオリジナル、というわけです。
「Backbone One」は、大きく分けて「PlayStation 版」と「スタンダード版」の 2 種類あります。
PlayStation 版は本体のカラーが白で、アクションボタンが △ / ○ / × / □ となっています。DualSense を彷彿とさせるデザインですね。スタンダード版は本体が黒で、アクションボタンが A / B / X / Y となっています。PlayStation 版は PS リモートプレイに完全対応していて、スタンダード版は Android では対応していません。PS5 のリモートプレイをしたいなら「PlayStation 版」を選んだ方が良いでしょう。
端子の種類は、それぞれ「USB Type-C」と「Lightning端子」があります。メインで使うデバイスにあわせて選びましょう。
開封・同梱品
外箱は、PS 製品と同じく青と白を基調としたデザイン。
右上には「PlayStation」のロゴが入っています。PlayStation 版は、スマホ用ゲームコントローラーとしては唯一、プレイステーション公式ライセンスを取得した製品です。PlayStation も認めた品質というだけで、安心感がありますね。
内箱は左右にスライドさせると出てきます。黒くてシックなデザインが高級感を感じさせます。
箱を開けると本体が見えました。
本体の上には、QR コードが印刷されたカードがあります。
この QR コードを読み取ると、アプリストアで専用アプリをインストールできます。アプリをインストールしなくてもコントローラーとして使えるので、 QR コードは読み取らなくても大丈夫です。
こちらが本体。
私がメインで使っているデバイスは iPhone15 Pro なので、USB Type-C のタイプを選びました。
本体の下に入っているのはセーフティガイド。
蓋の内側を見てみると、小さな箱がくっ付いています。箱の中にはアジャスターが入っていました。
このアジャスターは、スマホをケースに装着したままセットするときに使います。詳しい使い方は後述します。
同梱品は以上となります。
本体の外観
本体のサイズは、折りたたんだ状態だと タテ 94 mm × ヨコ 176 mm × 厚さ 33 mm。
スマホはホルダー部分を伸ばしてからセットします。
ホルダー部分を伸ばすと、背面にプレイステーションのロゴが見えます。
取り付けられるデバイスは、長さ 177mm 以内のもの。
iPad のような大きなデバイスには取り付けができません。
iPhone 15 Pro をセットした状態だと、タテ 94 mm × ヨコ 240 mm × 厚さ 33 mm になります。
本体の大きさは Nintendo Switch と同じくらいですね。
厚みがないので、PS Portal と比べるとかなりコンパクトな印象です。
重さは 147 g。バッテリーを搭載していないので非常に軽量です。
iPhone 15 Pro をセットした状態だと 345 g。398g ある Nintendo Switch と同じくらいです。
PS Portal だと 531g もあるので、持ったときにずっりした感じがあります。
コントローラー部分は、△ / ○ / × / □ ボタン、右スティック、Backboneボタン、メニューボタン、左スティック、方向キー、オプションボタン、キャプチャーボタンがあります。
上面には R1 / R2 / L1 / L2 ボタンが用意されています。
下面には USB Type-C 端子と 3.5mm のヘッドホン端子があります。
USB 端子はコントローラーを充電するためのものではなく、スマホを充電するためのもの。この端子にいつも使っているスマホの充電ケーブルをつなげれば、充電しながらゲームをプレイできます。コントローラー自体は、スマホを電源として動作するので充電は不要です。
3.5mm のヘッドホン端子には、有線イヤホンや有線ヘッドホンを接続できます。ワイヤレスオーディオをスマホに接続してゲームの音を聞くこともできますが、遅延や音質の劣化が気になる場合は有線がおすすめです。
装着方法と使い方
まず、本体のコネクターの反対側にスマホの上部を当てます。
その状態で左方向にスライドさせて、ホルダーをしっかりと伸ばします。
ホルダーを伸ばしたときの内寸はおよそ 177mm なので、これを超えるデバイスは取り付けができません。
さいごに、本体とスマホのコネクターの位置を確認しながら接続します。
これでセット完了。
iPhone15 の場合、スマホのカメラの出っ張りが影響することはないです。
取り付け時の注意点は、コネクター側からスマホをセットしようとしないこと。
先にコネクターを挿してしまうとコネクターが曲がったり折れたりします。接続不良の原因になるので絶対に避けましょう。
Backbone One はスマホにケースを装着した状態でもセットできます。
ケースを装着した状態で使う場合は、アジャスターを交換します。
アジャスターはケースの内側の小箱に入っています。
本体にはじめから付いているアジャスターは、スマホケース無しでセットするときに使用します。
先にこれを外します。
外すときは、指の爪をアジャスター底面のくぼみに差し込みます。
そのまま反対側に引っ張ります。
反対側のアジャスターも同様の手順で外します。
強力なマグネットで吸着しているので、外すには力が必要です。
外れないときは、アジャスターをつまんで引きはがすようにすると良いです。
スマホケース用のアジャスターの裏面には「S」の記載があります。
真ん中に穴のあいたアジャスターは、スマホのコネクタがある側に装着します。
穴のないアジャスターは反対側に装着します。
薄型のスマホケースなら、これで装着ができます。
iFace のような厚みのあるスマホケースだと、コネクターに挿せないので使えません。
スマホを本体にセットしたらすぐにコントローラーとして使えます。アプリを起動して操作してみましょう。
PS5 のリモートプレイをしているとき、右下のボタンはオプションボタンとして機能します。
Backbone ボタンを押すと専用アプリが起動します。リモートプレイ中に押すと中断してしまうので、押さないように注意が必要です。
左下のボタンはクリエイトボタンとして機能します。撮影したいときはこのボタンを押します。
専用アプリをダウンロードすれば、左下のボタンを 2 回押すと「PlayStation App」が起動できるようになります。この機能が必要であれば、アプリをインストールしましょう。
アプリをインストール後、設定>コントローラー>クイックアクセスショートカット>PSアプリを開く の順に操作すれば有効になります。
なお、クリエイトボタンのショートカットは「1 度押し」と「長押し」のみ使えます。2 度押しすると「PlayStation App」か「Backbone」アプリが開いてしまいます。
PSボタンは搭載されていないので、デバイスの仮想コントローラーを押す必要があります。
充電しながらプレイしたい場合は、本体の USB 端子にいつも使っているスマホの充電ケーブルをつなぎます。
有線イヤホンや有線ヘッドホンは、反対側の 3.5mm のオーディオ端子に接続します。
ワイヤレスオーディオを使いたいときは、スマホと Bluetooth で繋げば使えます。
PS Portal と比べてどう?使い心地レビュー
ここからは、実際にBackbone One を使った感想をご紹介していきます。
ボタンとスティックの使い心地
Backbone One にスマホをセットした状態の印象は、PS Portal よりも、Nintendo Switch に近い感じがあります。サイズ感もそうですが、ボタンの押し心地やスティックの配置が Joy-Con に似ているからです。
一番 疑問に思ったのが、左スティックの配置です。PlayStation 版であるのにも関わらず、なぜか左スティックと方向キーが DualSense や PS Portal とは逆。スマホのような小さな端末の場合、この配置の方が操作はしやすいのは確かですが、DualSense から Backbone One に持ち替えたときに、毎回のように違和感を覚えます。
左右のスティックの大きさや倒したときの感触などは、Joy-Con や PS Portal に似ています。DualSense のような重みは感じられず、軽やかでクイックに倒せます。これは好き嫌いが分かれるところだと思いますが、私は特に気になりませんでした。
△ / ○ / × / □ ボタンで気になったのが、押したときの音。高い音でカチカチという音が鳴ります。PS Portal ではこういった音は鳴りません。Joy-Con だと多少 鳴りますが、それよりも大きな音で鳴ります。外で使う場合、プレイする場所が静かだと周囲の目が気になりそうです。
方向キーは出っ張りが大きく深く押せるので、押した感触がしっかり感じられます。ボタンの音も静かで、DualSense や PS Portal と比べても遜色ないです。
R1 / L1 ボタンはやや狭い印象です。大きさで言うと Joy-Con と似ています。
R2 / L2 ボタンに関しては、Joy-Con よりも大きく、深く押せます。カチカチと音が鳴らず静かです。
PS Portal は Backbone One よりも上面のボタンが大きく、深く押せます。
スティック配置やボタンの音が気になりましたが、ボタンの押し心地は良く、全体的な操作性は悪くはありません。
握り心地
グリップ部分の質感は DualSense や PS Portal とそっくりで、軽量ながらも質の高さを感じます。
グリップ部分はやや小さめですが、背面にはわずかな曲線があり握りやすくなっています。
R2 / L2 ボタンの下には窪みがあり、この持ち方の場合、中指の収まりも良いです。
正面は DualSense や PS Portal のようなカーブはなくフラット。
立体感のある PS Portal と比べてしまうと、どうしても握り心地は劣ってしまいます。
ただ、スマホを含めても重さは圧倒的に Backbone One の方が軽いです。握り心地よりも軽さ重視なら Backbone One の方が扱いやすいです。
ゲームをプレイした感想
では、実際にゲームをプレイしてみます。プレイするゲームは、iPhone 版の「バイオハザード:RE 4」です。
コントローラーを握るときは、スマホの下部に薬指と小指をまわせばしっかりとホールドできます。
スマホのタッチ操作では、仮想コントローラーで画面の一部が隠れてしまったり、思うように反応しなかったりと、操作に不満を感じることがありました。
Backbone One を装着することで視界が広くなり、物理ボタンでの直感的な操作ができるようになりました。携帯ゲーム機と同じ感覚でプレイできます。
ボタンの入力遅延はほとんど感じられません。ボタンを押したのとほぼ同時に反応しています。
スマホとコントローラーを有線で接続しているので当たり前なのですが、これが Bluetooth 接続だと、入力遅延があったり電波の干渉によって不安定になったりします。
続いて、PS5 の「LEGO Horizon Adventures」をリモートプレイで遊んでみます。
ゲーム画面の大きさはスマホの大きさで決まります。小さいスマホを使っていると、画面が見にくいと感じるかもしれません。
これが PS Portal になると、8インチの大画面でゲームができるようになります。ほとんどのスマホの画面は 8 インチに満たないので、迫力や画面の見やすさに関しては PS Portal に劣ります。
ゲーム体験に関してもう 1 つ気になったのが、振動機能が付いていないこと。
PS Portal には、ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーが搭載されているので、DualSense と同様のゲーム体験が味わえます。簡易的なものでも良いので、Backbone One にも振動機能があれば良いと思いました。
逆に PS Portal には無い魅力として、「ワイヤレスオーディオの接続」が挙げられます。
Backbone One はスマホにオーディオ機器を Bluetooth で接続できるので、手持ちのワイヤレスイヤホン・ワイヤレスヘッドホンがいつも通り使えます。
PS Portal は、「PULSE Explore」と「PULSE Elite」のみ接続ができます。それ以外のワイヤレスオーディオは接続できません。
遅延・コマ落ち
遅延に関しては、「ストリートファイター6」のリモートプレイでチェックしてみます。
まずは PS Portal 。遅延はありますが、滑らかに動いていますね。スローで再生してもコマ落ちはありません。
続いて Backbone One 。大きな遅延はありませんが、スローで再生してみると、コマ落ちが確認できました。
ただ、スローでよく見ないと分からないレベルなので、普通のゲームプレイにはまったく支障はありません。
なお、コマ落ちは Backbone One が原因ではありません。スマホでのリモートプレイ全般に言えることです。
持ち運びやすさ
Backbone One の最大の強みは、「携帯性」にあります。
使わないときはコンパクトに収縮できるので、カバンに入れてもかさ張りません。
147 gと軽量なので、荷物が重くなった印象もありません。
いつも持ち歩くスマホに Backbone One を追加するだけで、外出先で快適なゲームが楽しめます。
PS Portal は305 mm × 66 mm × 115 mm(幅 × 奥行 × 高さ)と横幅だけでなく奥行きもあるので、持ち運ぶとなるとかなりかさ張ります。持ち歩こうという気にはさせないサイズ感です。
自宅よりも外出先で使う方がメインであれば、PS Portal よりも Backbone One の方が扱いやすいでしょう。
まとめ
Backbone One はスマホに取り付けるがゆえにコンパクトな設計です。PS Portal と比べてしまうと、画面の大きさや全体的な操作性といったゲーム体験は劣ります。その分、コンパクトで持ち運びには便利なのが魅力です。価格も 15,000円 以上 安いです。
さらに、Backbone One はリモートプレイ以外にも使えるという点で汎用性が高いです。スマホにインストールするアプリはもちろん、Steamなどのゲームも遊べます。
リモプ以外の用途もあり、外出先でも使いたいのであれば、 Backbone One がおすすめです。